休職中の従業員から「復職したい」と申し出があったとき、会社は何を見て、どの順で「復職してよいか」を判定すればよいのでしょうか。
この記事では、復職判定を「確認項目を決める、情報を集める、シートに整理する、記録を残す」という実務の型で整理します。厚生労働省と労働者健康安全機構の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」(以下、手引き)と、関連する指針の原文で確認できた範囲だけを使っています。
医学的に働けるかどうかは、主治医や産業医等の医師の意見をもとに判断します。会社はこうした医師の意見を聴き、職場の状況とあわせて総合的に決めます。個別の事案は、社労士や弁護士に相談してください。
・復職判定で会社が行うことと、手引きでの位置づけ
・判定に使う確認項目と、項目ごとの情報の出どころ
・判定シートの作り方(自社用の例つき)
・主治医の診断書の位置づけと、情報提供依頼・本人の同意の取り方
・判定の記録の残し方と、産業医がいない会社の相談先
復職判定で会社が行うこと|手引きが示す第3・第4ステップ
復職判定の中心は、手引きの第3ステップ「職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成」と、第4ステップ「最終的な職場復帰の決定」です。会社の仕事は、必要な情報を集めて評価し、社内手続きに従って決定することです。
復職判定は「情報を集めて総合的に判断する」作業
手引きは、職場復帰支援を次の5つのステップで示しています。
- 第1ステップ:病気休業開始及び休業中のケア
- 第2ステップ:主治医による職場復帰可能の判断
- 第3ステップ:職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成
- 第4ステップ:最終的な職場復帰の決定
- 第5ステップ:職場復帰後のフォローアップ

復職の可否は、主治医の判断と、これに対する産業医等の医学的な考え方も考慮して判断します。職場環境に関する事項は、管理監督者(職場の上司)の意見も十分に考慮し、総合的に行うとされています。
つまり、会社が行うのは次の3つです。
- 本人、主治医、職場から、必要な情報を集める
- 集めた情報を項目ごとに整理し、医師の意見や上司の意見とあわせて評価する
- 社内手続きに従って決定し、本人に通知する
定型の判断基準はなく、個々のケースで総合的に判断する
手引きは、復職可否について定型的な判断基準を示すことは困難で、個々のケースに応じて総合的に判断するとしています。本人の業務遂行能力が完全に改善していないことも考慮し、職場の受け入れ制度や態勢と組み合わせて判断する、という考え方です。
そのため、この記事の確認項目や判定シートも「これを満たせば復職可」という合否表ではありません。判断に必要な情報を、もれなく同じ形で集めるための道具です。
手引きは、復職可否について定型的な判断基準を示すことは困難で、個々のケースに応じて総合的に判断するとしています。個別の事案は、社労士や弁護士に相談してください。
産業医がいない50人未満の会社では誰が判断するのか
手引きは、産業医が選任されていない50人未満の小規模事業場について、次のように書いています。人事労務管理スタッフ、管理監督者、または衛生推進者・安全衛生推進者が、主治医や地域産業保健センターなどの事業場外の資源を活用しながら判断を行う、という内容です。
なお、手引きの「産業医等」は、産業医のほか、労働者の健康管理等を行うのに必要な知識を有する医師をいいます。
面談の進め方や、産業医と主治医の意見が食い違ったときの調整は、産業医の復職面談ガイドで解説しています。産業医がいない会社の復職判断の流れは、うつ病の復職支援も参考になります。
判定に使う確認項目|手引きの判断基準の例と情報の出どころ
確認項目は、手引きの「判断基準の例」と「情報の収集と評価」をもとに整理できます。
ここでは、手引きが示す判断基準の例を確認したうえで、確認項目を本人の意思・本人の状態・職場の状況・その他の4つの区分に整理し、項目ごとの情報の出どころを例として示します。
手引きが示す判断基準の例
手引きが判断基準の例として挙げる項目は、次のとおりです。
- 労働者が十分な意欲を示している
- 通勤時間帯に一人で安全に通勤ができる
- 決まった勤務日、時間に就労が継続して可能である
- 業務に必要な作業ができる
- 作業による疲労が翌日までに十分回復する
- 適切な睡眠覚醒リズムが整っている、昼間に眠気がない
- 業務遂行に必要な注意力・集中力が回復している
手引きは「など」を付けて例として示しており、全項目の達成を復職の条件とは書いていません。
確認項目を4つの区分に分けて整理する
手引きの「情報の収集と評価」は、本人の意思の確認、主治医からの意見収集、本人の状態の評価、職場環境等の評価、その他の5つで書かれています。主治医からの意見収集は情報の集め方にあたるため、ここでは確認項目を4つの区分にまとめ直します。
| 区分 | 手引きの記載(要旨) |
|---|---|
| 本人の意思 | 職場復帰の意思・就業意欲の確認、職場復帰支援プログラムの説明と同意 |
| 本人の状態 | 治療状況・病状の回復状況、業務遂行能力、今後の就業に関する本人の考え、家族からの情報 |
| 職場の状況 | 業務と本人の能力・意欲との適合性、作業管理・作業環境管理、職場側の支援準備状況 |
| その他 | 治療に関する問題点、本人の行動特性、家族の支援状況、復帰の阻害要因になりうる問題点 |
家族からの情報は、可能であれば必要に応じて集めるものです。家族を含む第三者からの個人情報の収集は、本人のプライバシーへの十分な配慮が必要とされています。
このうち「職場の状況」は、医師ではなく会社が答えを出す区分です。手引きが挙げる職場側の支援準備状況は、次のとおりです。
- 復帰者を支える職場の雰囲気や、メンタルヘルスへの理解の程度
- 実施可能な就業上の配慮(業務内容や業務量の変更、就業制限など)
- 実施可能な人事労務管理上の配慮(配置転換・異動、勤務制度の変更など)
「どの配慮なら実際にできるか」を先に書き出しておくと、主治医や産業医に意見を求めるときも、具体的に伝えられます。
項目ごとの情報の出どころ
次の表は、手引きの項目を、会社が情報を集めやすい形に並べ替えた例です。手引きが「この項目はこの人から集める」と定めているわけではありません。
| 確認項目 | 主な情報の出どころ |
|---|---|
| 復職の意思・就業意欲 | 本人(面談での本人の言葉) |
| 治療状況・病状の回復状況 | 主治医(診断書、意見) |
| 睡眠のリズム・昼間の眠気 | 本人の話、主治医の意見 |
| 注意力・集中力、疲労の回復 | 主治医・産業医等の意見、試し出勤などでの様子 |
| 通勤 | 本人の話、通勤訓練などの実施状況 |
| 決まった日・時間での就労の見通し | 主治医の意見、試し出勤などの出勤実績 |
| 復帰後の業務内容、できる配慮 | 上司、人事 |
睡眠や集中力のような医学的な評価にあたる項目は、会社が評価しません。主治医や産業医の意見を、出どころ付きで記録します。会社が自分で集めるのは、本人の話、出勤の実績、上司が見た様子といった事実です。
手引きは、試し出勤制度等が整備されている場合や、事業場外の復職支援サービスが使える場合は、これらを利用することで、より実際的な判断が可能となることが多いとしています。
復職判定シートの作り方|自社用の例つき
判定シートは、確認項目と情報の出どころを1枚にまとめた記録用紙です。手引きには「職場復帰支援に関する面談記録票」(様式例2)がありますが、「判定シート」という名前の様式はありません。
判定シートに入れる欄
手引きの面談記録票(様式例2)には、次の欄があります。
- 面談日時、出席者
- これまでの経過のまとめ(治療状況、主治医による意見、就業上の配慮についての意見)
- 現状の評価・問題点(本人の状況、職場環境等)
- 職場復帰支援プラン作成のための検討事項
- 職場復帰の可否(可・不可と理由)
- 次回面談予定
判定シートは、この構成に「確認項目ごとの情報の出どころ」を足す形にすると、面談記録票と二重に書かずに済みます。
判定シートの例(自社用に作る場合)
次の表は、手引きの記述を参考に、会社が自社用に作る場合の例です。厚生労働省が示す公式の様式ではありません。項目や欄は、自社の業務に合わせて変えてください。
| 区分 | 確認項目 | 情報の出どころ | 記入欄(確認した内容・確認日) |
|---|---|---|---|
| 本人の意思 | 復職の意思・就業意欲 | 本人 | |
| 本人の状態 | 通勤の状況 | 本人、通勤訓練など | |
| 本人の状態 | 決まった日・時間での就労の見通し | 主治医の意見、出勤実績 | |
| 本人の状態 | 睡眠・昼間の眠気 | 主治医の意見、本人 | |
| 本人の状態 | 注意力・集中力、疲労の回復 | 主治医・産業医等の意見 | |
| 職場の状況 | 復帰後の業務内容と、できる就業上の配慮 | 上司、人事 | |
| 職場の状況 | 実施できる人事労務上の配慮(配置・勤務制度) | 人事 | |
| 医師の意見 | 主治医の診断書・意見書の要点 | 主治医 | |
| 医師の意見 | 産業医等の意見(ある場合) | 産業医等 | |
| 総合 | 会社の判断と理由、決定日、決定者 | 社内手続き |
判定シートを使うときの3つの注意
- 点数化して合否を出さない:手引きは定型的な判断基準を示すのは困難としています。「○×」の合計では決めず、内容を文章で残します。
- 医学的な評価は、医師の記載を転記する:会社が「睡眠は問題なし」と書くのではなく、「主治医の意見:○○と記載(診断書、○月○日)」のように、出どころを付けて書きます。
- 空欄は「未確認」と書く:確認できていない項目は、空欄のままにせず「未確認」と書きます。あわせて、確認する方法と期限を決めます。
主治医の診断書・意見書は判定でどう位置づけるか
ここでは、主治医の診断書・意見書についての考え方を解説します。
診断書は判定の出発点であり、判定の材料の一つという位置づけです。あわせて、診断書・意見書・情報提供依頼書の違いと、診断書だけでは足りないときに主治医から情報や意見を集める考え方を整理します。
診断書は判定の材料の一つ
手引きの第2ステップは、休業中の本人から復職の意思が伝えられたら、会社が、主治医による復職可能の判断が記された診断書の提出を求める、としています。診断書には、就業上の配慮に関する主治医の具体的な意見を含めてもらうことが望ましいとされています。
ただし、主治医の診断は、日常生活での回復程度で判断していることが多いとされています。職場で求められる業務遂行能力まで回復しているとは限らず、本人や家族の希望が含まれている場合もあります。診断書は判定の出発点であり、判定そのものではありません。
診断書・意見書・情報提供依頼書の違い
復職の場面で出てくる書類を、手引きの記載で整理します。
| 書類 | 誰が書くか | 目的 | 手引きでの位置 |
|---|---|---|---|
| 診断書(復職診断書) | 主治医 | 職場復帰が可能という判断と、就業上の配慮の意見 | 第2ステップ |
| 復職に関する意見書 | 主治医 | 職場の情報を受けたうえで、就業が可能な回復レベルでの意見 | 第2ステップ |
| 職場復帰支援に関する情報提供依頼書(様式例1) | 産業医等が主治医に依頼 | 診断書だけでは不十分なとき、主治医から情報や意見を集める | 第3ステップ |
| 職場復帰に関する意見書(様式例3) | 産業医等 | 復職の可否や就業上の配慮を、産業医等がまとめる | 第4ステップ |
産業医の意見書と診断書の違いと、意見書の書式については、以下の記事で解説しています。
>>産業医の意見書とは?効力や診断書との違い、対応フローまで解説
>>産業医の意見書フォーマット|厚生労働省の様式の有無と場面別の記入例
診断書だけで足りないときの考え方
手引きは、診断書に書かれている内容だけでは十分な職場復帰支援を行うのが困難な場合、産業医等が本人の同意を得たうえで、主治医から必要な情報や意見を集めるとしています。判定シートで「未確認」が残った項目が、依頼する内容の候補になります。
- 診断書に就業上の配慮の記載がない:依頼書で「就業上の配慮に関するご意見」を求める
- 診断書が「復職可」の一言だけ:職場の業務内容を伝えたうえで、就業が可能な回復レベルでの意見を求める
- 症状や薬が通勤・業務に影響するか不明:「現在の状態(業務に影響を与える症状及び薬の副作用の可能性など)」を求める
主治医への情報提供依頼と本人の同意の取り方
診断書だけでは判定に必要な情報が足りないときは、本人の同意を得たうえで主治医に情報提供を依頼します。ここでは、本人の同意が必要な理由、依頼から回収までの4ステップ、依頼書と同意書に入れる項目、本人が同意しないときの考え方と費用の取り決めを順に解説します。
なぜ本人の同意が必要なのか
手引きは、主治医との連携にあたり、事前に本人へ説明して同意を得ておくとしています。主治医や家族から健康情報を集めるときは、利用目的と必要性を明らかにして本人の承諾を得ること、情報は本人から提出を受けることが望ましいとされています。プライバシーを守るとともに、本人が会社に不信感を持ってトラブルになり、復職が進まなくなることを防ぐためです。
同意は、包括的(まとめて一度に取る)や黙示(明示しなくても同意したとみなす)ではなく、個別に明示の同意を得ることが望ましいとされています。
厚生労働省の「労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針」(以下、指針)も、関連する情報を本人の同意が必要なものに分類しています。
- 職場復帰のための面接指導の結果
- 治療と仕事の両立支援等のための医師の意見書
- 通院状況等疾病管理のための情報
これらは、あらかじめ本人の同意を得て取り扱う情報とされ、根拠は個人情報の保護に関する法律第20条第2項と書かれています。本人が自発的に会社へ提出した情報は同意を得たものと解されます。会社が医療機関に直接問い合わせる場合は、別途、本人の同意が必要です。
依頼から回収までの4ステップ
- 本人に、主治医へ情報提供を依頼する目的と必要性を説明する
- 本人の同意を書面で得る(依頼書に本人が記入する同意欄を設ける)
- 会社の制度、復帰後に求められる業務、実施できる就業上の配慮をまとめ、依頼書とあわせて主治医に渡す
- 主治医の回答は、本人から提出を受ける形を基本に受け取る

手引きの様式例1は、産業医が主治医へ送る形の様式です。産業医がいない会社は、様式例1をもとに、会社が自社の依頼書を作ります。
依頼書と同意書に入れる項目
依頼書に入れる項目の例は、次のとおりです。手引きの様式例1をもとにしています。
- 従業員の氏名・生年月日
- 情報の使いみち:本人の職場復帰を支援する目的のみに使い、プライバシーに配慮して管理すること
- 依頼事項:治療経過、現在の状態(業務に影響を与える症状、薬の副作用の可能性など)、就業上の配慮に関する意見(再燃・再発防止のために必要な注意事項など)
- 職場の情報:会社の規則、復帰後に求められる業務の状況、実施できる就業上の配慮
手引きは、主治医との情報交換を、職場で配慮すべき事項を中心に必要最小限とするとしています。様式例1にある「発症から初診までの経過」なども、判定に必要かどうかを考えてから入れます。
同意書に入れる項目の例は、次のとおりです。
- 依頼する相手(医療機関名、主治医名)
- 依頼する内容
- 情報を使う目的(職場復帰の支援のみ)と、情報を見られる人の範囲
- 回答の受け取り方(本人から提出を受ける)
- 同意の日付と本人の署名
同意書の項目は、様式例1の本人記入欄と、手引き・指針の考え方をもとにした自社用の例です。公式の様式ではありません。
本人が同意しないとき・費用の取り決め
- 同意を求めるときは、依頼の目的と、判定に必要な範囲を説明します。症状によっては、同意するかどうかを選ぶこと自体が大きな負担になるため、手引きは配慮が必要としています。
- 心身の状態の情報の取扱いに同意しないことを理由に、解雇、期間を定めた契約の不更新、退職勧奨を行うことは、指針で「一般的に合理的なものとはいえない」とされ、原則行ってはならないとされています。
- 同意が得られないまま判定が進まないときの扱いは、個別の事情で変わります。社労士や弁護士に相談してください。
- 費用:手引きは、情報提供依頼書などで主治医に依頼する場合や、主治医と直接連絡・面会する場合の費用負担を、事前に主治医と取り決めておく必要があるとしています。
判定の記録の残し方
判定の記録は、後から「なぜその決定にしたのか」を説明するためのものです。手引きも、復職の可否や支援プランの話し合いの結果を面談記録票などにまとめ、関係者が内容を確認しながら進めることが望ましいとしています。
記録に残す項目
- 記入済みの判定シート(確認日と情報の出どころ付き)
- 主治医の診断書・意見書と、受け取った日
- 情報提供依頼書、本人の同意書、主治医からの回答
- 本人との面談記録(日時、出席者、本人の意見)
- 上司から聴いた職場の状況
- 産業医等の意見書(ある場合)
- 会社の決定の内容、決定日、決定者、本人へ通知した日
面談記録の書き方は、産業医面談記録の書き方が参考になります。
保管場所と見られる人の範囲
手引きは、健康情報等を取り扱う者とその権限を明確にし、業務上必要な範囲に限って扱うことを原則としています。心の健康問題を示す疾患名は、誤解や偏見を招きやすいため、特に慎重な取扱いが必要とされています。
- 判定シートや診断書の保管場所を決め、見られる人を絞る
- 上司に伝える内容は、業務上必要な範囲にとどめる
- 誰が、どこに保管し、誰に見せるかというルールを文書にして、関係者に伝える
判定のあとに迷ったときの案内
この記事が扱うのは、判定に使う確認項目と、判定の記録までです。手引きは、第3ステップのあとに、事業者が最終的な復職の決定を行い、本人に通知するとしています。決定は労働者にとってきわめて重要で、契約法上の制約も受けるため、社内手続きに従って適正に行うべきとされています。
判定のあとの場面は、次の記事で解説しています。
- 産業医が復職不可と意見したとき、最終判断は誰が行うのか:産業医が復職を認めないとき
- 休職期間の満了が近いとき:休職期間満了で自然退職にする前に
- 適応障害で休職した従業員への対応:適応障害で従業員が休職
産業医がいない会社が判定に迷ったときの相談先
判定は、産業医がいなくても進められます。手引きは、50人未満の小規模事業場では事業場内に十分な人材を確保できない場合が多いため、地域産業保健センターなどの事業場外の資源を活用することが有効としています。
地域産業保健センターを活用する
労働者健康安全機構の地域窓口(地域産業保健センター)は、労働者数50人未満の小規模事業場の事業者や労働者に、健康相談窓口の開設などを原則として無料で提供しています。健康相談の対象には、メンタルヘルスに関することが挙げられています。
復職の相談が対象になるかどうかは、事前に最寄りの窓口へ確認してください。
社労士・弁護士に相談する
復職を認めるか、休職を続けるか、就業規則をどう読むかといった労務・法律の判断は、顧問の社労士や弁護士に相談します。手引きも、復職の可否についてはさまざまな判例が出されており、トラブルを防ぐために法律の専門家等と相談することを求めています。
継続して医師の意見を聴ける体制を整える
判定のたびに外部へ相談するのではなく、産業医と契約しておくと、判定シートの「医師の意見」の欄を継続して埋められます。産業医の選任義務は、常時50人以上の事業場にあります。詳しくは、以下の記事で解説しています。
>>産業医の選任義務とは?50名以上の罰則・費用・探し方を解説
50人未満の会社が産業医を置くかどうかについては、以下の記事で整理しています。
>>産業医は50人未満でも必要?選任義務の有無と、会社がやるべきことを解説
株式会社Medpartnerは、産業医の業務委託を扱っています。医師コミュニティを基盤に、全国の事業所へ産業医をアサインでき、精神科・心療内科の医師も派遣できます。現場への訪問を前提とした運用で、訪問頻度は原則月1回です(要件により2か月に1回)。既存の産業医や保健師を切り替えずに連携することも、事務作業だけを委託することもできます。詳しくは、産業医の業務委託をご覧ください。

復職判定に関するよくある質問
復職判定について、診断書に「復職可」とある場合の扱い、判定シートの書式、本人が主治医への情報提供に同意しないときの対応、試し出勤を判定に使うときの注意に関する質問をまとめました。
Q. 診断書に「復職可」とあれば、会社の復職判定は不要ですか?
手引きの流れでは、診断書の提出は第2ステップで、会社の復職判定は第3ステップです。
主治医の診断は、日常生活での回復程度で判断していることが多く、職場で求められる業務遂行能力まで回復しているとは限りません。そのため、産業医等が精査して意見を述べることが重要とされています。診断書を受け取ったら、判定シートで未確認の項目を確認します。
Q. 判定シートは、法律で決まった書式がありますか?
手引きにあるのは様式例です。様式例は、基本的な項目や内容を例として示したもので、各事業場の実態に即したものを整備することが望ましいとされています。特定の書式を義務づける規定は、今回確認した資料には見当たりませんでした。手引きは国が示す手引きで、法律の条文ではありません。
Q. 本人が主治医への情報提供に同意しないときはどうしますか?
まず、依頼の目的と、判定に必要な範囲を説明し直します。同意しないことを理由に、解雇や退職勧奨などを行うことは、指針で原則行ってはならないとされています。その後の進め方は、個別の事情で変わるため、社労士や弁護士に相談してください。
Q. 試し出勤を判定に使ってもよいですか?
手引きは、試し出勤制度等がある場合、より実際的な判断が可能となることが多いとしています。ただし、導入にあたっては、処遇、災害が発生した場合の対応、人事労務管理上の位置づけを労使で十分に検討し、ルールを定めておくことが必要です。
- 作業について会社が指示を出す場合や、作業内容が業務にあたる場合は、労働基準法等が適用される場合がある
- 主治医から、試し出勤が本人の療養の支障にならないという判断を受けることが必要
- 正式な復職決定の前に判断を目的として行うもので、いたずらに長期にわたることは避ける
試し出勤を含む復職支援プログラムの進め方は、うつ病の復職支援で解説しています。

まとめ
復職判定は、手引きの判断基準の例と、情報の収集と評価の区分から確認項目を決め、情報の出どころ付きで判定シートに整理して進めます。定型の判断基準はないため、合否表ではなく、総合判断のための記録として使います。
- 確認項目は、本人の意思、本人の状態、職場の状況、その他の4区分で整理する
- 主治医の診断書は判定の材料の一つ。足りない項目は、本人の同意を得て主治医に依頼する
- 医学的な評価は医師の記載を転記し、会社が評価しない
- 判定シート、診断書、同意書、面談記録、決定の内容を、見られる人を絞って保管する
まず、自社用の判定シートの雛形と、情報提供依頼書・同意書の雛形を作りましょう。休職者が出てから慌てないための準備になります。産業医がいない会社は、地域産業保健センターや社労士への相談から始められます。

